
小さい頃、夏休みや冬休みに田舎に帰ると、
祖父はいつもポッキーというおやつをくれました。
仕事の関係で家にいない時には、
ポッキーだけが置いてあることもありました。
ボクは
「なんでいっつもポッキーなんだろう?」
と思いながら食べていました。
一週間ほど前、
仲間のお子様にスナック菓子を送ってあげることになり、
ぼくは奥さんと一緒に
スーパーのおかし売り場に行きました。
ずいぶん久しぶりに訪れたお菓子売り場は、
童心をくすぐられる、なかなか魅惑的な場所でした。
で、いざ、その子供に送ってあげるおかしを選び始めると、
二人とも途方に暮れてしまったのです。
膨大な種類のスナック菓子があって、
どれを送ってあげたらいいのかがわからないのです。
たまにしか会わない子供が好きなお菓子って、
接していない分だけわからないんですよね。
過去の記憶を手繰り寄せながら、
そうしてなんとかかんとか見繕って、
二人して「これで喜んでくれるかな~?」などと言いつつ
ショッピングを済ませたのでした。
そのスナック菓子の会計を済ませるレジの列に並んでいる時に、
ふと「祖父のポッキー」のことを思い出したのです。
思い出すと同時に、
祖父もがオレ好きなものがわからんかったんだ…
それでも
「これで喜んでくれるかな~?」って思いながら、
ポッキーを買ってきてくれてたんだ…
あのポッキーは、
祖父の精一杯の愛情表現だったんですね。
積年の疑問が解けると同時に、
あのポッキーがただのおかしではないことに気づいた俺は、
スーパーのレジで並びながら、
ウルッときてしまいました。
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